赤坂見附法律事務所

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名誉毀損とは何か

名誉毀損とは

 名誉毀損とは、人の品性・徳行・名声・信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価低下させることをいいます。
 そして、ある記事の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきとされています。
※最高裁昭和31年07月20日判決(新聞記事)
※最高裁平成24年03月23日判決(インターネット上の記載)

事実摘示と意見・論評

 記事による名誉毀損の不法行為は、次の①、②のいずれでも成立します。
事実を摘示するもの
意見ないし論評を表明するもの
※大審院明治43年11月02日判決(意見表明であっても名誉権侵害)

名誉毀損が否定される例外

①事実摘示の場合

公共性(その行為が公共の利害に関する事実にかかる)
公益性(目的が専ら公益を図ることにある)
真実性(摘示された事実の重要部分が真実である)
 or 相当性(真実と信ずる相当の理由がある)
※最高裁昭和41年06月23日判決/最高裁昭和58年10月20日判決

②意見・論評の場合

公共性(その行為が公共の利害に関する事実にかかる)
公益性(目的が専ら公益を図ることにある)
真実性(意見等の前提事実の重要部分が真実である)
 or 相当性(真実と信ずる相当の理由がある)
・人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない
※最高裁昭和62年04月24日判決/最高裁平成元年12月21日判決/最高裁平成09年09月09日判決

誹謗・中傷の対応方法(削除・特定)

誹謗・中傷への対処

 インターネット上に自分の悪口が書かれた場合の対応としては、その投稿を削除してそれ以降見られないようにする方法と、その投稿の発信者を特定して、さらなる被害を防ぐ方法があります。
 これらは、二者択一ではなく、片方だけもできますし、両方もできます。
 もちろん、削除や特定ではなく、無視するという方法もあります。無視(少なくともしばらくは静観)する方法も、ときには有効ですので、ケースバイケースで選ぶ必要があります。

削除

 削除は、法律上は「送信防止措置」という言い方をすることもあります。この場合の情報の送信者は、掲示板等のサイト運営者です。目的は、情報を閲覧者に送信しない(表示させない)ようにするということであり、情報の消去ではないので、送信防止という表現は正確かもしれません。実際に情報が消去されると証拠の観点でも困ることもあります。

特定

 発信者の特定は「発信者情報の開示」と呼ばれます。
 誰がインターネットに書込をしたか、これを調査して特定する作業です。
 主に、削除と並行して行われます(誹謗中傷の程度が軽ければ、削除をせずに特定作業をすることもあります。)。
 インターネットの情報は、どのコンピュータが発信したかがIPアドレス(インターネット空間におけるアドレス)として記録される仕組みになっています。
 そこで、発信者のIPアドレスをたどり、そのコンピュータを管理している人や、そのコンピュータに接続した別のコンピュータを追跡します。
 最終的には、特定のコンピュータ(携帯電話や、家庭・会社にあるパソコン等)が発信元と判明し、その契約者や所有者を発信者として特定することになります。
 

誹謗・中傷とは

誹謗・中傷とは何か

 誹謗・中傷(ひぼう・ちゅうしょう)という言葉の意味は、「そしること」「人のことを悪く言って名誉をきずつけること」(三省堂国語辞典)です。要は、悪口です。
 対面で悪口を言われても不愉快ですし、自分の知らないところで悪口を言われるのもとてもショッキングです。ただし、口頭による場合は範囲が限定的ですので、反論をしたり、無視したりすることで大きな損害に至らない場合も多いです。
 これが、口頭ではなく印刷物であれば、より広範囲に拡がりますし、さらにはインターネットのように、距離や時間を超えて様々な情報が伝播するメディアにおいては、回復困難な被害になってしまうこともあります。

権利侵害

 誹謗中傷という言葉は法律的な用語ではありません。
 悪口による被害などを法的に言うと、表現による権利侵害となります。人には、名誉権プライバシー権営業権著作権などの権利があり、これを侵害してはならない、と法律で定められています。
 不特定多数の相手に対して、情報を発信することで、他人の権利を侵害すること、これが誹謗中傷その他のインターネットによる表現の問題です。


 
 

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